増田裕子×後藤美月 絵とうた「オルガン」

ケロポンズ・増田裕子の愛猫、サイくんの思い出から生まれた
絵とうた「オルガン」（CD付きブックレット・全10ページ）です。
音楽と共に、後藤美月さんの美しい絵と詞の世界をお楽しみください。
イラスト入りオルガン写真入り。

収録曲
1. オルガン 2. チャイをください

収録の絵
計5点

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　私は普段、ケロポンズというユニットで、全国あちこち親子コンサートにでかけています。泊りも多く何日か留守の時には、ねこシッターを友人にたのんでいます。

　以前、近所に住む“みづきん“ことイラストレーター後藤美月ちゃんにねこシッターをやってもらった時期がありました。保護猫の祭（サイ）当時15歳、アメ当時5歳。みづきんはいつもイラスト入りのねこ日誌を書いてくれました。仕事から帰って、その日誌をみるのがひそかな私の楽しみでした。そんな中、突然サイは病気になってしまいました。5ヶ月あまりの闘病生活に、みづきんも付き合わせてしまうことに……。とうとう最期の日、朝もう動けないくらいぐったりしていたサイを残して、仕事にいかなければならず「ごめんね、夜には帰るからね」と言うと、「にゃ」とかすれた声で返事をしてくれました。なんとなく覚悟はしていました。

　夜遅く帰宅するとサイが、どこにもいません。まさか消えた？　焦りました。探して探して、ようやくうちの小さなスタジオにある、足踏みオルガンの中に潜り込んで亡くなっているサイを見つけました。

　ひんやりと暗くて気持ちよかったのでしょうか。誰にも見られないように、ひっそりと旅立った際。その潔さは猫のもつ本能なのか、サイの生き様だったのか……。

　天国へ行ったサイのために、みづきんが詞を書いてくれました。私がメロディをつけ、「オルガン」という歌が生まれました。足踏みオルガンに、みづきんが何日もかけて絵を描いてくれました。うちのスタジオにサボテン高水春菜ちゃんとエンジニアの松崎さんが来てくれて、レコーディングしました。ともちゃんが写真を撮ってくれました。こうして絵とうた「オルガン」ができあがったのです。

増田裕子。
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